Friends by Eric Carle (2015)
邦題:いちばんのなかよしさん アーサー・ビナード(訳)
対象年齢:3歳~5歳
家庭の事情などで引っ越しをすることは、子どもにとって、楽しく過ごした友だちとの別れのときでもあります。別れもあれば出会いもあり、また長い人生には再会もあります。辛いことや、困難なことに立ち向かわなくてはならないときもあります。
この絵本は、そんな様子をエリックカール独特のティッシュペーパーコラージュによって大きく、わかりやすく描かれています。「はらぺこあおむし」でよく知られている絵本作家エリック・カールが愛妻バーバラとの出会いをヒントに、書いたものです。残念ながらこの絵本が出版された2015年の夏に、バーバラは亡くなってしまいましたが、私達の心の中で、また、絵本の中ではずっと生き続けていることでしょう。
最後のページには幼い頃のエリックと当時の友だちで、別れた女の子の写真もあり、それは郷愁を誘い、私たち大人自身に、昔の切ない淡い思いを思い出させてくれます。この絵本から、友情と未来に向けて生きる力、希望を感じ、大人たちが今まで経験したことを子どもたちに、一緒に伝えてあげることができると良いと思います。
【あらすじ】
昔々、仲良しの二人がいました。いつも一緒に遊び、踊り、走り、内緒話もしました。でも、ある日少年は一人になりました。幼なじみの友だちは遠くへ引っ越してしまったのです。「さみしいなあ、会いたいな、探さなくちゃ」と言いながら深呼吸して10まで数えました。
そして…。
少年の旅は始まります。
川を渡り、星空を見上げ、山へのぼり、草原を歩きます。
しばらくすると、眠くなった少年は雲の中をフワフワと浮かぶ夢をみます。
目覚めたところは森でした。
そして、お花畑。花をたくさん摘んでいると、別れた友だちがいました。
「みつけた!」と一緒に遊び、走り、踊り、そして最期には、結婚しました。
子ども達の心に働きかける絵本はいつの時代も身近な存在であることでしょう。
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